正しい補聴器の調整を受けていますか?

補聴器を使っても聞き取りが良くならなかったという人がいます。その原因は4つあります。

●補聴器の調整をしていない
●調整を繰り返していない
●補聴器をつけた状態での検査をしていない
●補聴器の調整が適切でない

 
 

補聴器の調整をしていますか?

補聴器には、使う人の聴力に合わせて細かく調整できる機能が備わっています。
調整をしていない補聴器を使っても効果は感じられません。
調整は高度な知識と技術を持った専門家が行います。

 
 

調整は一度ではなく繰り返し行います

補聴器はあなたの聴力だけでなく、生活の状態に合わせて調整を行うことが必要です。補聴器を使うとあなたの生活も変化していきます。
一度の調整ではなく、補聴器を生活の場面で使いながら、その状態を確認し、それに合わせて繰り返し調整を行います。
 
 

補聴器をつけた状態での検査をしていますか?

一人ひとりに合わせた適切な調整になっているかを確認するために、補聴器をつけた状態での検査(補聴器適合検査)を行います。
補聴器適合検査には、音の聞こえの検査と、ことばの聞き取りの検査があります。どちらも大切な検査です。
眼鏡をつけて測る矯正視力のように、補聴器も”矯正聴力”が重要です。

音の聞こえの検査では、補聴器をつけていない時の半分くらいの数値になるように調整します。
補聴器をつけていない時に60dB程度の場合は、30dBが適切な目安です。

ことばの聞き取りの検査では、まず補聴器をつけていない状態で聞き取りが最も良い数値を確認します。下図では、語音明瞭度65%のところが最も良い数値です。次に補聴器を着けた時、60dBで語音明瞭度がこの数値と同じになるか、少し高めになるのが適切な目安です。

 

補聴器を使うには調整の方法が重要です

補聴器の調整をしていても、たいして聞き取りが良くならない人がいます。補聴器の調整の仕方が間違っているかもしれません。

「たいして役に立たない補聴器」の多くはのようになります。
▲が目標の目安になりますが、全く届いていません。
これでは、補聴器は少しはましですが、たいして役に立ちません。

なぜ役にたたない状態の
調整になってしまうのでしょう

たいして役に立たない補聴器は、上記のように音が足りないことが多いです。
では、なぜそのような調整が行われるのでしょうか。

初めて補聴器をつけた時は、うるさいと感じてしまう人が多いです。つらいと感じて、ボリュームを下げてしまうと、ほとんど効果のない補聴器が生まれてしまいますので、注意が必要です。

監 修 

済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科
主任診療科長・聴覚センター長
医師

新田 清一

済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科
 
言語聴覚士

鈴木 大介


“聞こえる”プロジェクト

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